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【富山県東礪波郡利賀村】 |
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日本三大秘境の一つ岐阜県飛騨地方から富山県砺波地方にかけての庄川上流地帯に、平家の落人がひっそり伝えてきたといわれる巨大民家。その屋根の木組が掌を合わせた形になっているところから合掌造りと呼ばれるようになりました。合掌造り民家は、雪深い山村という自然条件と山間僻地の養蚕業、明治中期まで残っていた大家族制度とのかかわりによって成立したものです。ここに移築した民家は江戸時代の建物で、荒縄とカズラのみで縛り上げ、いろり火を効果的に用いた建築法は、厳しい山村生活の知恵の結集といえます。
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【熊本県菊池郡泗水町】 |
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二棟造りは沖縄から南・中九州で多く見られますが、本屋と釜屋がほぼ同大で棟が平行に並ぶという非常に珍しいこの建物は、かつて熊本県に多く存在し、正式には平行二棟式と呼称します。この建物は約200年前、寺の庫裡として建てられた為、規模が大きく建造年代も早く旧形、古制を良く伝える等幾多の貴重な条件をそなえた遺構です。平行二棟の形式は、神社建築において謎につつまれている八幡造りの源流ともいわれ、かつては菊池地方に散在していたことが寛永十年(1632年)の肥後藩人畜改帳から分かりますが、現在では僅かしか残っておらず、大変に貴重な建物です。
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【佐賀県杵島郡白石町】 |
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単立型の直屋から発達した家屋で、主棟がすべて寄棟でコ字形に棟が回っており、上から見るとちょうどかまどの形に似ているところから『くど造り』と呼ばれるようになりました。くど造り民家は今でも佐賀平野を中心に点在しますが、旧藩時代の徹底した倹約令、梁間の制限が大きな要因で家屋が小さいのが通常ですが、ここに移築した家屋はかなり大きな建物です。中央部分に式台(玄関)があり、約150年前に上層階級の家として建てられたものだといわれています。
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【福岡県小郡市坂井】 |
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この建築法は江戸時代に最も多く取り入れられた様式のもので、上から見るとL字形(カギ形)をしているところから『鉤屋造り』民家と呼ばれるようになりました。この民家は約200年前に建てられたもので、入口から右へ「にわ」(土間)、「ごぜん」(中居)、「納戸」が横一列に続き、納戸の前方に座敷が張り出しています。天井は総て竹簀子天井で、特に納戸の竹簀子天井に土を塗籠(大和天井)にしているのが特徴です。移築当時小郡市に残っていた最古の鉤屋造り民家です。
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【長崎県下県郡椎根(対馬)】 |
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小屋は他地方の納屋にあたり、対馬で最も異色のある建物で、屋敷内に一、二棟配したり、又は部落全体に数棟集めて建てられているものがあります。ねずみの被害を防ぐ為に床下を吹き抜けとし、台風や激しい雨風に耐えるように石屋根葺きになっています。この石は今では持出し困難になったけつがん頁岩という対馬独得の泥板岩を節理に沿って割ったものを羽重ねに葺いていく建築法です。当社に移築したこの納屋は19世紀半ばのものと推定されます。
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